さくらさくらんぼの保育士は、月齢に合った発達をしているか、お家での過ごし方はどうかを子供が描いた絵を見て読み取ることができるそうです。
なぜ、1歳の子が描くとこのような絵になるのか?その絵を描く時の発達や心理はどのようなものなのか?
月齢に沿った発達や心理を子どもが描く絵と共にご紹介します。
1才の発達や心理
1才頃は「一つの世界」を認識するようになる時期です。
「あ、ワンワン!」「あ、ニャンニャン!」と指差しが始まり、1語文を話すようになります。
「ワンワン」と「ニャンニャン」を一つずつ認識はしているのですが、「あ、ワンワンとニャンニャン!」と二つのことを同時に聞くことはあまりないですよね。
「一つの世界」をあちこちに見つける時期なので、二つのことを同時に行ったり、認識するのことはまだできないようです。
1才はヒョロヒョロの線や点々を描く
1才頃は、薄くてヒョロヒョロのひっかき画や、点々を描きます。
腕の発達も未熟なため、手首を支点に手を動かしているためです。
手先を左右に動かせばひっかき画、上下に動かせば点々になります。
筆圧も弱いため、描いたのか描いていないのか・・・わからないような絵ですね。
1才の発達と絵まとめ
1才の頃の絵は、手首を支点としたヒョロヒョロのひっかき画や点々です。
この時期の子どもは、「一つの世界」を認識し始める頃なので、同時に二つのことをやったり、認識することはまだ難しいかもしれません。
1才5か月頃の発達や心理
1才5か月頃になると、あちらとこちらという「二つの世界」が見え始めます。
「~でない、○○だ」という二つのことを理解し始めるのです。
だんだん、「イヤ」という言葉が出て来たり、苦手なおかずはプイっと横を向いたり。
「あれじゃなくて、これがいい」という心理が芽生え来ているのかもしれません。
この時期に、イヤイヤ期である自我の拡大をしようとしているのです。
1才5ヵ月頃は往復斜線や殴り書きを描く!
この頃になると、往復斜線の殴り描きのような絵を描きます。
腕も少しずつ成長し、支点が手首から肘へと変わるため、線のふり幅は大きくなり、往復斜線になるのです。
また、「二つの世界が見えはじめる」ということが、子どもが描く絵にも表されています。
それは「描き始め地点」と「折り返し地点」、という二つの世界が見えているということです。
心理的なことでいうと、描き始め地点が私、折り返し地点がお母さんで、「私とお母さんの間を行ったり来たりしているんだ」といいます。
「ママ、ママ~」や「見て見て~」が増える時期、私の要望にお母さんが答えてくれる。
その充実感は、ふり幅の大きさと色の濃さに現れ、ふり幅が大きく、色が濃いほど満たされているといわれます。
1才5か月頃の発達と絵まとめ
「あちら」と「こちら」という二つの世界が見え始める時期で、「あれは嫌だけど、これがいい」という気持ちが表れ始めます。
これはイヤイヤ期の自我の芽生えを拡大しているところなんだそうです。
この頃の絵は、肘を支点にした往復斜線の絵になり、ふり幅が大きく、色が濃いほど心は満たされていることになります。
逆に、「見て見て~」の時期に、ふり幅が小さく、色が薄いと少し充実感が足りていないのかな?と感じるそうです。
1才9か月頃の発達や心理
この頃になると、「二つの世界」を見比べることができ、「自分が、自分が」が増え自我が拡大してくる時期です。
大小を見て比較ができるようになり、大きい方、自分が好きな方を選ぶようになってきます。
遊び方も、より多く、より高く、積み上げて積み上げて積み上げて・・・最後にやり遂げるのは自分!という気持ちが出てくるのです。
自分の物!という所有物も分かり始め、一番大きいものが自分のものだ!という自信にあふれる時期でもあります。
1才9か月頃はグルグル描きをする
往復斜線のふり幅が、どんどんどんどん大きくなっていくと、丸になっていきます。
まだ終点はなくグルグルと描き、周りよりも自分のを一番大きく仕上げようとするのです。
1才9か月頃の発達と絵まとめ
この頃になると、「二つの世界」を見比べることができたり、「自分が!」「自分の!」がわかってくるようになります。
見比べて大きい方を選んだり、最後の仕上げは自分が!という気持ちが強くなったりと、自我が拡大する時期です。
この頃の絵は、グルグル描きで、「他の丸より自分の丸を大きく描くんだ!」といわんばかりにグルグル描きをします。
2才頃の発達や心理
2才頃は最大の自我で、「何でも自分で!」「何でも一番!」の時期です。
親にとっての子どものイヤイヤ期は、とても大変な時ではありますが、子どもにとって達成感の充実が自信に繋がり、自我の満たしと自信が、優しさになっていくときでもあります。
この時期に、二つの動きを交互に繰り返して一つにまとめることできるようになります。
例えば、「めがねと新聞持ってきて」とお願いすると、まずめがねを持ってきて、その後新聞を取りに行くという具合です。
「二つの世界」(対の世界)の区分が何となくわかり始めている時期なので、「~が終わったら、○○しよう」や「野菜をたべてからお肉をたべよう」ということはまだ理解しがたいかもしれません。
遊びでは、見立て遊びから象徴遊びへと変わり、目的を持った遊びが強まります。
「あふれる遊び」といって、バケツにたくさんの水をため、水があふれだすのを楽しんだり、小石や小枝をたくさん集めたり。
それだけでなく、あふれた水で何かをしたり、集めた小石や小枝を使って何かの遊びをする。
これがこの時期の「あふれる遊び」です。
長女もその頃は、毎日小枝や小石を拾って帰っていました。
ポケットからたくさんの砂や枯れ葉が出て来たり、ダンゴムシが出て来たり…お洗濯前に要チェックですね。
2才頃は終点が決まっていない丸を描く
グルグル描きから次第に丸に変わってきます。
丸といっても、終点はまだ確立しません。
一人遊びが中心の1才に比べ、お友達を意識できるようになってくると、丸の数もどんどん増えていき、描いた丸に意味づけするようになってきます。
ただの丸のように見えても、「これはお母さん」「これは○○ちゃん」と答えるようになってくるのです。
2才発達と絵まとめ
2才は最大の自我が芽生えるイヤイヤ期です。
この頃は「何でも自分が!」「何でも一番!」の時期で、達成感の充実や自我の満たしが自信と優しさに繋がっていきます。
二つの世界の区別がわかり始める時期なので、二つのことを同時に行うことはまだできません。
「これをしたら、あれができる」というのは、難しいでしょう。
この時期の絵は、終点が定まっていない丸を描きます。
丸をいくつも描いて、「これは○○」「これは~~」と意味づけもするようになってきます。
以前に比べて、一人から周りへと見る世界が広がっていった証拠です。
絵から読み取れる子供の発達と心理のまとめ
いかがでしたか?
子供が描く絵と発達や心理には深く関係するものがあったんですね!
ただし、発達や絵の描き具合は人それぞれ違う物です。
1才半なのに、まだこんな絵しか描けないの!なんて焦る必要はありません。
比べるのは、周りの子の絵ではなく、以前その子が描いた絵です。
以前より少しでも変化が見られたらちゃんと成長している証拠になります。
だけど、明らかに絵の成長が見られなかったり、後退しているようなことがあれば、子どもとの関わり方や生活を見直してみた方が良いでしょう。
次は、2才半以降の絵から読み取れる子供の発達や心理と絵についてをご紹介していきます。
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